こんなに女性に積極的になったのは、数十年ぶりだろうか。妻が生きていた頃は妻に、妻が亡くなってからは風俗で、己の肉欲は満たしていた。しかしそれも四十の頃までで、還暦を過ぎた今はもうそういうものとは無縁だと思っていた。
だが、今の自分は孫娘のような歳の少女に手を伸ばしている。それが、何よりもの事実で、言い訳が出来ないほど冷たい現実だった。
「……良い働き先ってどこですか」
何も無かったかのように淡々と聞いてくるが、首から上はかなり血色が良い。この質問も、今の状況を変えようとして聞いてみたものに違いないだろう。しかし、頬に置かれた“タジマ”のかさついた手を振り払わないということは、此方に好意を持っていると捉えても良いということか。
「住み込みの家事手伝いだ」
「どこの家ですか」
「私の家だ」
出来る限り甘い言葉で言いながら頬に置いた手の指を丸め、指の背で産毛をゆっくり撫でる。
「んっ、」
擽ったいと思ったのだろうか、顔を赤らめながら一瞬瞼を閉じて堪えてはいるものの、赤い唇から声が漏れ出ている。震えているのが何とも可愛らしい。
「で、どうする」
「や、やります……っん」