「もう…服着る時に困るじゃん…」「ほぅ?」不意に腰を撫でていた手がするりとお腹の方へ回されたかと思えば。「都度閨事を思い出す、か?」ぐ、と。先程まで入り込んでいたソコを確かめるように——ソレを思い出させるように。手に力が込められ、耳元に囁かれる。「——っ」きゅう、と声もなく今は何も埋められていない奥をわななかせながら身を震わせていると、ことり、と小さな物音がした。どうやら煙管をどこかに置いたらしい。逞しい両腕が、震えることしかできない身体を搔き抱いていく。揺蕩う煙からではなく、染み付いているかのようにその身体から感じる煙草の香に、くらりとした。「次は、優しくしてやろう」もう十分です、とは思っても、それが口から出るより嬌声が漏れる方が早かった。