断るつもりだった。
何せ、此方が誘うときは決まりきって断るのだ。たまにはお預けを食らい続ける此方の気持ちも味わうと良い、そう考えていた。
今週はできないし、したとしても応えられない、と告げた時の彼女の反応は淡白なものであった。しかし、二日目から此方を頻繁に見るようになり、三日目には時折体をムズムズと動かせることが多くなった。四日目には何かを言おうとしては何でもない、と言う。そして、この五日目である。
いい気味だ、と最初は思っていたが今は違う。今も読むつもりで持っている本の頁は捲っていれど、内容は何も頭に入ってこない。
求めているのは、俺も同じだった。
二日目で彼女の匂いを嗅ぐだけで抱きたいと思い、三日目には彼女が食べる時の一挙一動に心を乱され、四日目には職場でどうやって彼女を悦ばせようか既に考えていた。一日しか我慢ができないとは、我ながら節操もない。子供はできないと自分で言っておきながら、もしかしたら有りうるかもしれない、とも思えてしまう。
「えっち、しよ?」
見上げてくる彼女の瞳は潤み、頬は上気して赤くなっている。
「俺もそう思っていたところだ」
早く、お前を喰らいたい。