こうして喋ってみても、予想外の言葉を投げてくるものだから中々に面白い。付け加えて、踏み込んでも良いことと踏み込んではいけないことをそれとなく察知する力も高い。一緒にいても良いどころか、ずっといても良い気さえする。良い女、というのは体の相性ではなく心の相性で決まる、とどこかの雑誌に載っていた文言を“タジマ”は思い出した。
上機嫌なのを顔に出さないように気を付けながら金を出すと、褐色の青年が苦笑い気味に口角を上げた。
「タジマさんもまだまだ若いですね」
「好きな女を前にすれば誰だってそうなる」
「そうですか。……話は変わりますが、隠居は」
いつの間に奥から持ってきたのか、引き出しから避妊具を取り出しながら尋ねてきた。
「隠居? しないな」
レシートと共に受け取ったそれを、“タジマ”はちらりと見た。
「もう1サイズ大きいのは無いのか」
「ありますよ。……何か新しいことでも始めるんですか」
流石に喫茶店のマスターをやりつつ裏社会で武器屋として生きているだけあって、褐色の青年は驚きをおくびにも出さなかった。
「裏社会で起きた面倒事を解決する稼業でもやろうと思ってる」
「現代の剣客商売ですね」