「分かりました。あの、今連絡しても良いですか」
「こんな遅くにか」
「でも、日曜にシフト入ってるんです」
つまり、土曜日にならない内に連絡したいという所だろうか。
「今日はもう遅い。今連絡すれば、失礼になるだろうから止めた方が良いと思うのだが」
「じゃ、明日の朝にします」
「バイトは何をしていたんだ」
「飲食店でのバイトを3つです。でも、ほとんどが親の借金返済で」
「……」
“タジマ”の顔が険しくなるのに気づいて、立香の顔も青ざめる。
「あ、でももう少ししたら返済しきるので!」
「そうか。……一応、聞いておくが、それは表か」
聞いた途端、立香の目が右に左に泳ぎ始めあ。嘘を付くのが下手すぎて、逆に憐れんでしまいそうになる。
「裏なんだな」
「……はい」
死んだ立香の両親のことを考えると、思わず反吐が出そうになった。きっと、自分たち二人なら返せると思っていたのだろう。
「もしかすると払い過ぎているのかもしれん。明日、その話をゆっくりと聞こう」
“タジマ”の大きな手が橙色の頭を撫でた。
「だから、今日は安心して俺に抱かれろ」
タオルと着替えを取ってくる、の声に彼女は甲高い呻き声で返事した。