広い広い閻魔亭には、当然人気の少ないところもあるわけで。そんなところに突然引き摺られるように連れ込まれたかと思えば——「ぁ、や…!」「——しぃ」お静かに、と騒ぐ子供を嗜めるように耳元をかすめていった声はしかし——どうしようもなく色香に溢れている。聴き慣れてはいても一向に免疫のできないその声色に腰を抜かしそうになりながらも、既に服の端々から侵入を図っている不埒な手を咎める。「し、ごと中、なんですけど…っ!」「安心召されよ。手早く済ませる」「そうじゃなぃ…!」襟元に差し込まれた掌によって胸を揉みしだかれ、器用に裾を割ったもう片方の手によって秘芽を摘まれ——それ以上の快楽を知る身体では、もう拒めなかった。いつもより性急な手つきはそれでも私の感じるトコロを間違えたりはしない。早く、と急かした声は、この行為の終わりか、それとも——何を求めていたのだろう、か。