大正パロのようなもの Show more
「両親から、話は聞きました」「そうか」柳生の胸元に顔を埋めたまま、立香は淡々と言の葉を口から紡ぐ。「明日で私たちは離縁して、その足で向こうに嫁ぎます」「今日はどうするんだ」「荷物を纏めて、晩は向こうの別荘のお屋敷で晩餐会です」「そうか」いつぐらい経ったのだろうか、とようやく立香が顔を上げた時も柳生の顔はいつもと変わらぬものだった。「では、行くか」「……」はい、と言おうとした時、柳生の腕が強く立香を抱き締めた。「逃がさん」
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