すぅ、すぅ、と穏やかな寝息を立てている妻を起こさぬように仰向けに転がす。出会った頃よりも一回り大きく育った胸が体の動きに合わせて、ふるりと震える。気が付けば、溢れてしまいそうな柔らかな果実を握っていた。剣だこだらけの武骨な指に合う形に変えたそれは、指の屈伸運動に合わせて柔らかな弾力を返してくる。下着とシャツ越しにも関わらず、揉んでいると乳房の中央に突起が出てきた。ホックを外し、下着を上にずり上げるが、シャツはそのままに今度は乳輪を刺激するように揉んでいく。
「んっ、あ……」
気持ち良さに寝ている妻のかんばせから喘ぎが漏れるが、柳生は少し口角を上げただけで、手の動きを止めようとはしなかった。人差し指と薬指で乳首を挟むように揉みながら、中指の爪で往復して何回も優しく引っ掻く。無意識なのか、膝が擦り合わそうと動くが足の間に柳生がいるせいでそれもできない。
「あ、あっ」
そろそろかと、耳元に口を寄せる。
「立香」
「んっ、ふぅ……♡♡♡♡」
びくびくと体が震えても、柳生の手が止まる気配はない。
妻は、夫が10年間毎晩自分の胸を丹念に育てていることに未だに気付いていない。