「ここの湯船に浸かるのも今日で最後だな」
「そ、うだね」
ちゃぷ、と宗矩さんが少し腰を動かしただけで波紋が湯船に広がる。普段の家の時でも、朝風呂から第何ラウンドにもつれ込む事は高確率で発生する。しかし、ここでは毎回のように事に及んでしまった。体を洗い流している内に、鏡を使って羞恥責めをするために、お風呂に浸かりながらしたいと理性がぶっ飛んだ私がねだってしたり、まぐわうついでに風呂に入っているようなものだった。
ここが檜風呂でもあるせいか、今日は檜の匂いを嗅いだだけでお腹がきゅんとしてしまった。これがバレたら宗矩さんの事だから檜のアロマとかを買ってきて、反応を楽しむに違いない。
「なぁ立香」
「なんですか」
「お主、檜の匂いに反応していたな?」
思わず体が強張る。すると、固くならなくても良いと言わんばかりに子宮口をつつかれる。達したせいで力の抜けた体を抱き直すと、笑いながら宗矩さんは言った。
「お前は匂いに敏感だからな。ここで何回も抱いていれば、自ずとそうなると思って聞いてみたまでよ。……さて、私の匂いと檜の匂い、どちらが好きかな?」
「宗矩さんに決まってます!」