たまの休みの夜は、二人で一緒にテレビを見る事が多い。宗矩さんは時代劇を、私はバラエティーやドラマを好んで見ているけど、夜はそんなに時代劇が無いのでもっぱらゴールデンタイムはバラエティーやが居間に流れている。今日は音楽番組で、画面には今月デビューしたばかりのCRD72というアイドルが映っていた。
「どの子も私より可愛い……」
「アイドルだからな」
宗矩さんは興味が無いのか、さっきから居間に面した縁側でぷかぷかと煙管を吸っていた。
しかし、まさか宗矩さんが独り言じみたアイドルの話題に答えてくれるとは。これは、未だに聞いたことのない好みのタイプの子を聞いても良いのだろうか、良いじゃないのか。
「りゅうたんはどの子がタイプ?」
「お前だ」
「へ?」
「お前が好きだから結婚した」
背を向けて煙管を吸う宗矩さんの赤い耳たぶを、月明かりが微かに照らしていた。