シオン・カルデアに来てからも、ヘクトールは前のカルデアのように変わらぬ日々を送っていた。そんな彼でも、本腰を入れてゆっくり休みたい時がある。そんな時に舞い込んできたのが閻魔亭にマスターがいると言う風の便りだった。
「しかし、まぁ、ここで働いているとはな」
「えへへへ~」
案内された客間は一人用と言うこともあり少し狭めだが、これぐらいで丁度良い。そう思いながら、ヘクトールは股座に座らせている仕事終わりのトロイアを撫でていた。
「働いていて、辛くはないのかい?」
「ううん、楽しいでち! ……あ」
舌足らずな女将の口癖が移ったのか、頬を赤らめて恥ずかしげに笑う。
「恥ずかしがらなくて良いんだぜ? 今のトロイア、凄く可愛い」
「ちゅちゅん?!」
ヘクトールらしかぬ直球な愛の言葉に、マスターは目を丸くする。その様子でさえ、愛しく思えるのだが、それは蕩ける顔以外にも現れてしまった。
「ヘクトール、ここ、あついでち……」
すっかり山になったそこをゆっくりと撫で、ヘクトールの言葉を待つ。
「オジサン、トロイアをちゅんちゅん鳴かせたくなっちゃったからさ、今日は一緒に触りっこしようか」