お酒を飲んで酔っ払うのはいつも私だ。宗矩さんが酔っぱらうのは時々で、何か悩みや不安があったり疲れている時にしかならない。だから、介抱するのはいつも宗矩さんの方で、ベッドに寝かしつけると寝たのを確認してから1人晩酌に戻るか、一緒に寝るかのどちらかになる。酔っ払った私が宗矩さんを襲おうとして寝かし付けられることも多々あるらしく、翌日に注意されることもある。素面の時に襲わないで我慢して偉いね、と言ったら我慢はしていないし酔っ払ったお前を襲いたいと思うほど獣ではない、ときっぱりと言われた。
だけど、今日は違った。
ベッドの上で胡座をかいた宗矩さんの太股の上に乗せられ、対面座位の格好になった私たちは口のまぐわいをしていた。ワインの匂いがする長くて厚い舌が歯列を舐め、上顎を擽り、喉奥を戯れにつつく。舌同士が触れ合う度に膣が震え、舌や唇を食まれたり吸い上げられたりすると子宮が疼く。後頭部を耳を塞ぐように力強く掴まれているせいか、はしたない水音が響く。
宗矩さんが口を離した時には、すっかり酔いも抜けていた。
「酔いは覚めたか」
「ふぁい……」
「なら、今度は私に酔うといい」
まだ、宴は続く。