宗矩さんにああ言われたということは、翌日の朝に起きたくないとゴネても良いよということであろう! と、ポジティブ解釈した私は翌日の朝、起きたくないとゴネて予想通り宗矩さんの「そうか」を貰って悠々と二度寝をキメていた。いつもと違うのは、無意識ではなく意識がはっきりとある状態で言ったことだろうか。
起きて驚かせに行こうと思ったが、段々と瞼が重くなってくる。
「おやすみなさい……」
私はまた、眠りの世界へと入った。
※
妻が二度寝をしている時、夫は眠りが深い時に限って夜のマッサージを特別にすることにしている。
「あ……ん……」
手付きはさほど厭らしいものではないが、丹念に教え込まれた胸は敏感に快感だけを拾っていく。しかし、絶頂には決して行かせない。そのせいか、二度寝をした日はいつもより大胆になったり積極的になったりする。
人差し指で乳輪を触るだけで妻は体を震わせて息を乱すが、夫の表情は真顔のままである。ただ、妻が無意識に乱れる度に股間に膨らむものだけが男の感情を表していた。
「むねのりさん……」
幸せそうに胸の頂を固くさせながら眠る妻は、夫の密かな煩悩を知らない。