「じゃ、マッサージしてもらおっかな~」
「今日はまっさぁじ屋は開いておらんぞ」
「え?」
聞き返しても、私は既にベッドの上にうつ伏せで寝転んでしまっている。起き上がって逃げようとしても、宗矩さんとの速さ勝負には全く勝てない。動こうとした時には既に宗矩さんが上に覆い被さり、身動きが全く取れなくなっていた。
「だーめ、今日は普通に寝ます!」
「本当に嫌か」
「嫌です!!」
実を言えばそんなに嫌ではないが、ここでそう言ってしまうと付け込まれて毎日されてしまう。それは嫌だ。宗矩さんはそうしたいのかもしれないけれど、私は宗矩さんに抱かれたくて夫婦になった訳じゃない。
「分かった。すまないな、襲うような真似をしてしまった」
予想していたよりもあっさりと、宗矩さんは私の言うことを聞いてくれた。覆い被さるのをやめて、横に寝転がると大人しく布団に潜った。
「わ、わかればよろしい!」
私もモソモソと布団に入ると、胸元に抱き寄せて優しく抱き締めてくれる。
「……宗矩さんや宗矩さん」
「ん」
「ちゅー、してもいい?」
「良いぞ」
こうして今夜もまた、宗矩さんの掌の上で私は踊るのでした。