目が覚めると、まだ少し頭は痛んでいた。耳を澄ませれば、ベランダを打つ雨音が聞こえる。どうやらまだ晴れることは無いらしい。何てことのない、雨の日の頭痛はもう慣れた。だけどやっぱり少しだけ、少しだけ休みたくてソファに横になって、それからちょっとだけだと念じながら目を閉じて――。
「今何時?」
「昼前だ。丁度良い時に目覚めたな」
落ち着いた、低い声と共に大きな手が私の頭をわしゃわしゃと撫でる。昼前、と言うと一時間ぐらい寝ていたのか。
「気分はどうだ? 食べられるか」
しゃがんだ宗矩さんと目線を合わそうと起き上がると、ぱさりとブランケットがはだけた。
「うん、ちょっと収まった。……お昼ご飯、宗矩さんが作ってくれたの?」
「ああ、簡単に雑炊にしてしまったが」
「いいよ、雨の日だから、宗矩さんも少し体がだるいでしょ? お昼ご飯作ってくれてありがとう」
私のよりも少し後退した宗矩さんの髪の毛の生え際に、お礼のキスをすれば宗矩さんの喉が鳴る。
「もー、どこがおかしいの?」
「どこも可笑しくはない。つい、立香が可愛らしくてな、惚れ直していた」
「……もー……」