いつもお昼の後にこっそり昼寝をしているせいか、何だか眠たい。宗矩さんのいる休日は我慢しているのに、今日は何故だか堪えきれずに欠伸が出てしまった。
「私は稽古の続きをするが、主殿はここで少し昼寝でもしていくか?」
「昼寝しても良いの?」
カルデアにいた時は、日中に少し眠たげにしているだけで大騒ぎされたのに。
「肉の身を持てど、今も私の主は立香である。主の元に直ぐに馳せ参じるのが忠臣よ」
つまり、私が何かに巻き込まれてもすぐに駆けつけるから安心しろ、ということだろうか。それなら、遠慮する理由はない。けれども、まだやるべき家事が色々と残っている。
「んー、まだ家事があるから昼寝はしないけど……ちょっとだけ宗矩さんの膝枕借りてもいい?」
「良いぞ」
「では、ちょっとだけ」
横に動いて、宗矩さんの膝に頭が乗せられるようにする。横に倒れると、少し固い膝に頭がちょうど乗った。
「宗矩さんの膝枕、やっぱり固いね」
「お前のは丁度良い固さだが」
「そりゃ、アメリカ横断した脚だからねえ」
涼しい風が当たって気持ちいい。手持ち無沙汰になっている宗矩さんの手を握ると、私は目を閉じた。