首輪を受け取った晩のこと。
「ダヴィンチちゃんに、ヤギュウは重いでしょうって言われた」
「……ほう」
寝床に潜り込んでいつものように丸まった側に落ち着いたリツカから知らされたヤギュウは内心苦笑する。今までそんな風に思っていたなどまったくもって出さなかったのに、流石の慧眼だと思った。だが、
「やぎゅ、ダヴィンチちゃんともシた?」
この質問は予想外だった。
「なに?」
間抜けな問いかえしの言葉しか出てこない。
「ダヴィンチちゃん、やぎゅの身体がおもたいっておもったってことでしょ?」
そう続けたリツカの尻尾はしゅんと床に落ちたままだ。
(これは重たい違いだな)
察しつつもそのリツカの様子が可哀想やら愛しいやらで心中忙しない。
「今の所ダヴィンチ含めてオスから求められたことはないしネコでもヒトでも交わったことはない」
まずは身の潔白を主張する。
「……ダヴィンチちゃんオスなの!?」
一旦は丸まったリツカがガバリと起き上がって顔を覗き込んでくる。その可愛さにべろりと頬を舐めながら、
「そうだ。メスの姿の方が美しい!か何かでああなっているが」
次いで尋ねた。
「どうしてそんなことを気にするんだ?」