発情期でもないのに、くらくらする。それはヤギュウも同じだった。ただ、年嵩がある分、おそらくヒトの生態に引きずられているのだろうことはわかる。わかっていても、その反応を抑えることは難しかったが。
唇を離し、リツカの脚の付け根に兆したそれを押し付ける。
「やぎゅも……?」
小さく驚いたように問いかける声にすらぞくぞくした。交わり、融けあい、子を成すためではなく単に満たし満たされたかった。
(……なるほど、確かに重い)
自覚はあったがもうどうしようもない。番いたいと思ったメスの返事を待つ。
しばしの沈黙が暗い部屋の中に漂った。しばらくして、リツカが大きく口を開いて、かぷり、とヤギュウの首を甘噛みする。返事を受け取ったヤギュウは、思うままに組み敷いた身体を愛でることにした。