ツナ缶とご飯、それにかつお節も混ぜて少しふやかしたご飯をあげるとゆっくり食べ始めた。くしゃみもあれからしていないから、今夜一晩泊めてあげれば多分大丈夫だな。よしよし。
厚手のタオルを湯たんぽに巻いて布団の足元に入れたから寝床はOK。いつのまにか、ご飯をあげた器も空っぽになっていた。
「お腹いっぱいになった?」
食後の洗顔をしていた子に声をかけると、てててと近づきぐいぐい頭を押し付けてくる。
「よかったよかった」
前足の付け根から抱えて持ち上げるとやっぱりけっこうおっきい。ふくよか系というわけではなくて、単純に骨格がしっかりしていて大きい感じ。そして、身体つきからもそんな気はしてたけど、やっぱりついてた。
「男の子にしてはおだやかだねえ、キミ。けっこうお年寄りなのかい?」
抱っこも全然嫌がらないし、やっぱりどこかのおうちからうっかり外に出ちゃったのかな。
「早く帰んないと飼い主さん心配してるだろうけど、戻るのは明日にしなね」
そう話しかけた私をよそに、くぁ、と大きなあくびをしたのがいかにも猫らしくて頬が緩む。
「寝よっか」
抱えた胸元に擦り寄るその子をおろして、私もベッドに入った。