その瞬間、但馬はいつも私の顔をじっと見つめてきた。苦しげな表情になるわけでもなく、恐らく身体に走るんじゃないかと思う快楽に浸るわけでもなさそうだった。いつもと変わらない表情だけど少しだけ懇願するような目をしている、なんていうのは私の思い過ごしかもしれない。
今夜は普通に寝るはずが、いつの間にか素肌で布団に入り二度ほど注がれていた。手を引かれ放り出されるに任せるまま快楽を味わっていたから、溢れたものが太腿をぺたりと濡らして少し気持ち悪い。そんな心地悪ささえも自分のものではない肌がくっつけばまた別であることを、上に乗せられて初めて知った。
「は、ぁ、あっ、たじま、これ、すき、すき」
好きなところをこじるように上下に動くとやめられなくなる。ぺたぺたと音を立てながら離れる腿の辺りから下腹を切なくさせるものが追加されるようだった。よくて、やめられない。
「ふ、う、ん、たじま、あ、い、く」
尋ねるつもりが、下からぐるりとかき回されてうやむやになる。但馬の口からこぼれる吐息と、じっとこちらを見据える眼差しがもうすぐ出すと伝えてくる。
「きて、たじま、ちょうだい」
口に出すとますます全部欲しくなる。