「メリークリスマス」
「今年も無事過ごせたことに」
「素敵なみなさんに」
好みのカクテルが入ったグラスをそれぞれに掲げながら乾杯する。用意してくれたマスターも、この日だけは無礼講らしく珍しく濃い茶色の液体と美しく丸く削られた氷の入ったグラスを全員と重ねて穏やかに笑っていた。
「常連でクリスマス会を毎年やっているのだが」
とマスターから声をかけられたのは、もう年の瀬も差し迫ってきたなあという頃だった。いつものお見送りのときに、そう言われたのだ。
「……参加してもいいんですか?」
「君の予定が空いていれば」
「ラッキーなことに空いています!」
から始まるホワイトマスター側の話も書きたい