「……酒が入るといかんな」
微笑んだままの但馬が呟いた。
「んー?」
「手が伸びる」
肩を抱かれて唇を塞がれると、強いお酒の味がした。強引に唇を割り開かれ、但馬に応えようとしてもその舌先すら吸い上げられてどうしようもない。濡れた音に誘われるように背筋をぞくぞくとしたものが這い上がってくる。その源、腰のあたりから順に、背筋をくすぐるでもなく押し込むでもなくなぞるように撫で上げてくる手つきがすごくやらしくて、私は但馬の羽織に体を預けるしかなくなってしまった。同時に、ぐ、ぐ、と硬くなった欲を押し付けられて、
「……したい?」
分かりきっていることだけれど、唇が離れた隙に尋ねる。それが布の向こう側でびくりと震えたのが伝わってきて、また背筋が震えた。
「ああ」
表情も身体も、欲を何一つ隠さずに但馬が笑っている。
「主は」
声と指でくすぐるように耳を撫でられる。そのうちに唇と舌も加わってきて、
「俺が差し上げられるのは我が身ひとつのみなれば」
そんなことを宣うのだから、気持ちいいけれど笑ってしまう。
「クリスマスだからプレゼント?」
「然り」
「いつもしてるのに?」