『帰りにバニラアイス、大きめの箱のやつ買ってきて欲しいな〜🙏🙏🙏』
年若い妻からのメッセージに了解、とだけ返信して電車を降りる。幸い以前の休日の買い物で彼女が目を輝かせて1Lのアイスの箱を見ていたのを覚えていたから、どこで買えばいいかも見当がついていた。改札を抜けて、柳生の足は駅にほど近いスーパーへと向かう。確かにまだ少し暑く、アイスの甘く冷えた食感が恋しかった。
「今日は何にする」
いつもであれば食後の茶の時間。酒の時もあるが、いずれにせよ好んで準備をするのは柳生の方だった。
ふっふっふ、と立香が笑う。
「冷蔵庫にね、かき氷シロップと炭酸水があるの」
「……ふむ」
「あとダークチェリーだけど甘く煮て冷蔵庫で冷やしてある」
「クリームソーダか」
満面の笑みの妻が眩しい。冷蔵庫から材料を取り出しささっと混ぜて、買って帰ってきたバニラアイスを載せる。
「わーい」
最初にアイスを一口、それからさくらんぼを摘んだ柳生を、
「やぎゅさんはさくらんぼの茎、結べそうだよねえ」
このこのっ、と突いてきた妻がどうなったかは、夫妻のみぞ知る。
#やぎゅうさんちのおうちごはん