一枚、また一枚と衣服を取り去る毎に娘の貌から女の貌になりゆくのを但馬は密かな楽しみとしていた。にっと笑って自分の膝の上に乗ってくる様も、誘っておきながら頬を染めて恥じらう様も、潤んだ瞳で思いつめたようにじっと見つめてくる様も、あるいはもう待ちきれないといわんばかりに但馬に触れてくる様も、全て確かに立香であった。その変貌を意図してやっているのだとしたらそれはそれで大したものだが、おそらく全て無意識、取り繕うことのない立香自身なのだろう、と但馬は思っている。
「たじま」
立香に小さく呼ばれて我にかえる。自分を上に乗せて深く交わったまま動かない男を小さく欲する声。その貌ばかりか指の一本までも但馬しか欲しくない、但馬だけが欲しいと訴えている、ように思う。
この貌もなかなかに気に入っていたが、
「……っ……」
腰を押し回しながら柔らかい乳房を掴むとそこに陶然としたものが加わる。これが一番、滾る。
「ぁっ、おっきく……」
感じたことそのままを口にする娘がなおも愛しく、その蕩ける塩梅を確かめるように但馬はことに勤しむことにした。
#柳ぐだ