落穂ナム
Follow

明日から仕事だから!ジャパニーズスタイルだから!というしっかり者サーヴァント達のかけ声の下、今日はみんな早々に部屋に引き上げたのだけれど。
「休まれるのでは」
そのまま自室に引き上げようとする但馬の袖を引くと、そんな風に言われた。
「何かすることあった?」
「いや。しかし夜更かしも夜遊びも、明日の仕事に支障が出よう」
至極もっともな意見を返されてしまい笑うしかない。けれど、ここでぐうの音ぐらいは出さないと。
「明日からは仕事でしょ」
あんまりつれないからついつい口調が拗ねたものになってしまったのはご愛嬌だ。見上げる但馬の表情はまだ動かない。
「一緒に寝るのは、仕事?」
少し意地の悪い問いかけに、果たして但馬が乗ってくれるかどうか。ステゴロ組に飲まされていれば勝算はあったけれど、今日は早めにおひらきになってしまって酒量が足りていない気配がする。
「仕事ではないが」
但馬の掌が頬に添えられたかと思えば、
「遊びにもあらざれば」
軽く私の鼻を摘んで離れていく。微笑んでそんな風に諭されるともう勝ち目はない。せめて一矢と背伸びして顎先に口付けると、但馬はまた吐息だけで笑うのだった。

Sign in to participate in the conversation
ichinyo.site/但馬守に斬られたい人たち

「こっちに一如して」などと言っていたらドメインが取れることに気づいてしまったので作ったインスタンス