落穂ナム
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前夜から睦みあい、日が昇る時間となっても些か眠気が強い。自然、午後の散歩の代わりにうたた寝をすることになる。自室に戻って座布団を枕に寝転んでいると、
「おさむらいさーん」
幼女たちが転がるように笑いながら駆け込んでくる。
「これ、危ないぞ」
「だいじょうぶだよ」
「お茶にいたしましょう、但馬のおじいさま」
賑やかしいことこの上ないが、揺さぶったりはしてこないあたり行儀がいい。おそらくカルデアの誰かが躾けたのだろう。
「すまぬが少し眠くてな。できれば一寝入りしてから顔を出したいのだがどうだ」
言っている側からあくびが出る。
「本当に眠そうです」
「おかあさんの言ってたとおりだね」
はて。
「主の計らいか」
「そうよ?マスターが但馬のおじいさまがきっと眠くて眠くて仕方がないだろうから様子を見てお茶に誘うようお願いされたの」
様子を見て、のところが生憎若干抜け落ちているようだが、子どもの遣いである。致し方ないことだった。
「では一杯頂いてから休むとするか」
成果付きで役目を果たした子どもたちが歓声をあげるかたわら、茶の返礼として主を昼寝に誘うことを心に決める。さて、うまく釣れるか。

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ichinyo.site/但馬守に斬られたい人たち

「こっちに一如して」などと言っていたらドメインが取れることに気づいてしまったので作ったインスタンス