「ああも求めておいでであればひと夜では足りぬだろう」
そんな但馬の勝手な言い草に、それでもまた身体が勝手に期待してしまった時点で負けだった。うんと溶かされ、うとうとしてはまた満たされる。完全にその気持ち良さに支配されてしまっていた。
「随分と淫らになられた」
背中から覆いかぶさった但馬がそんなことを言う。淫らになったんじゃなくて但馬が淫らにしたんでしょ、と言いたいけれど、口の中に指が差し込まれているからそれも叶わない。それに、身体のことはそうであっても昂ぶらされる前に自分から誘ったりねだったりしていることには言い訳しようがなかった。
但馬の指がくすぐるように口内を撫でるたびに頭が気持ちいいことでいっぱいになる。中に挿れられたものを締め付けてしまったのだろう、但馬が薄く息を吐くと一度浅く抜いてからまたじわじわと抉るように奥まで入ってくるものだから勝手に腰が動くのを止められない。気持ちいい。もっと欲しい。喋れないから、身体で誘うしかない。そう理由付けて上顎を擽る指に舌を絡めると、但馬が首の付け根を噛んできた。それすら甘く疼いて、もう、どうしようもなかった。
#柳ぐだ