苦しめたいわけでも怒らせたいわけでもない。だけど。
「たりない」
もう少しだけ、足りない。そこがぎゅうっと但馬のものに吸い付いてしまうのがわかる。
「たじま」
自分でもこんな声どこから出てるかわからない。ただ腰のあたりにわだかまってどうしようもないものが、勝手に私の身体を、口を動かしていた。
「足りないよぉ……」
一度口にしてしまうとますます欲しくなった。いいところに当たって欲しくて身体を捩らせるけれどうまくいかない。じれったくて、ほしくて、涙が出てくる。自分でも内心ちょっと引いてしまうぐらい焦がれていた。
不意に但馬の指が肋骨を辿り繋がった場所少し上へ伝っていった。内側とはまた違った快楽が背中を走る。
「ぁ……!」
たまらなかった。そこを撫でられる度また中をぎゅうぎゅうと食い締めてしまうのが分かる。
やがて落ち着いたのか、但馬がゆっくりと腰を使い始めた。
「あ……♡」
待ち望んだ刺激に身体が緩む。緩んだところを責め立てられて、気持ちいいことでいっぱいになる。
普通に寝るはずが、結局、やめられなくなって。いつまでも誘い誘われ身体を交わして、いつ眠ったかなんてわからなかった。