酔いに任せて但馬がその体を抱くと、立香はお酒くさい、と笑いながら体を預けた。ちょん、と首を反らせて口付けると緩く男のものが勃ち上がる。快楽自体はさほどでもなくとも、その感触その光景に反応してしまう。それを自らの腿で感じ取った立香の頬が、酒を飲んでもいないのに色づいた。しかしそこから去るわけでもなく、そのまま但馬の首筋から着物の合わせに唇を這わせる。男の乳首を探り当て、舐め転がしながらそっと熱い逸物に手を伸ばせばびくりとそれが震え硬さを増すと同時に、但馬が息を詰めた。
愛しい男との予期せぬ逢瀬、肌の触れ合いを期待しなかったわけではない。しかしそれだけになるのも、淫らにすぎそうで怖い。もう少し何か口実を、と唇を離した立香が何か言いたげに口を開きかけて、また一人赤くなる。その機微は明らかにされぬなりに但馬の欲を掻き立て、
「なんで……」
反応したそこに立香が思わず呟いた。なんともものを知らない言いように、
「そう思うておるのはお主だけよ」
但馬は微笑みながら、ものの道理というものを教えてやらねばな、と立香の着物の帯を解いていった。