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武蔵ちゃんをからかって楽しんでいるやぎゅさんと怒っているけれどどこか嬉しそうな武蔵ちゃんを見かけて、「からかわれたことないや……」とちょっと微妙な気持ちになるぐだちゃん(やぎゅさんと付き合っている)

 宗矩さんは時々、お香を焚いてくれる。お香、と言っても江戸時代の大きなものではなくて現代の小さなものだけど。カルデアでは大きかったものなのにどうして? と前に訪ねたら、部屋中が臭くなる、と真顔で言うからどう返事したものか戸惑ってしまった。竹林を思い起こさせるさっぱりとした、心地よい香りを纏った着流しを着ている宗矩さんを見ると頭がくらくらして、体が火照ってしまう。きっと、私が男ならあそこも大きくして宗矩さんに襲い掛かるのかもしれない。
 風呂上がりの宗矩さんも、香を纏う宗矩さんと同じぐらいに色気がある。寝巻きも夏が近づくと着流しの格好へと変わるのだが、熱くなったからなのか胸元をはだけて湯で少し赤くなった肌を見せるのは止めてほしい。まるで俺を抱いてくれと誘っているかのようで、自分が女なのが少し心苦しく思ってしまう。だから、今日は意を決して言ってみたけれど。
「……お前がそれを言うのか」
「へ?」
 気がついた時にはリビングの床に押し倒されていた。
「私が毎日無念無想の心でお前を抱き過ぎないようにと気遣っているのを知っていて、わざと言ったのだろ? うん?」
 だんなさま、おめめがこわいです。

10年後の柳ぐだ♀。やぎゅさんはよ気づけ!と自分が書いているのにそう思ってしまった…… ichinyo.site/media/bkdS2-jJrGn

「じゃ、マッサージしてもらおっかな~」
「今日はまっさぁじ屋は開いておらんぞ」
「え?」
 聞き返しても、私は既にベッドの上にうつ伏せで寝転んでしまっている。起き上がって逃げようとしても、宗矩さんとの速さ勝負には全く勝てない。動こうとした時には既に宗矩さんが上に覆い被さり、身動きが全く取れなくなっていた。
「だーめ、今日は普通に寝ます!」
「本当に嫌か」
「嫌です!!」
 実を言えばそんなに嫌ではないが、ここでそう言ってしまうと付け込まれて毎日されてしまう。それは嫌だ。宗矩さんはそうしたいのかもしれないけれど、私は宗矩さんに抱かれたくて夫婦になった訳じゃない。
「分かった。すまないな、襲うような真似をしてしまった」
 予想していたよりもあっさりと、宗矩さんは私の言うことを聞いてくれた。覆い被さるのをやめて、横に寝転がると大人しく布団に潜った。
「わ、わかればよろしい!」
 私もモソモソと布団に入ると、胸元に抱き寄せて優しく抱き締めてくれる。
「……宗矩さんや宗矩さん」
「ん」
「ちゅー、してもいい?」
「良いぞ」
 こうして今夜もまた、宗矩さんの掌の上で私は踊るのでした。

性癖に忠実に書いた結果でした

 宗矩さんにああ言われたということは、翌日の朝に起きたくないとゴネても良いよということであろう! と、ポジティブ解釈した私は翌日の朝、起きたくないとゴネて予想通り宗矩さんの「そうか」を貰って悠々と二度寝をキメていた。いつもと違うのは、無意識ではなく意識がはっきりとある状態で言ったことだろうか。
 起きて驚かせに行こうと思ったが、段々と瞼が重くなってくる。
「おやすみなさい……」
 私はまた、眠りの世界へと入った。

 妻が二度寝をしている時、夫は眠りが深い時に限って夜のマッサージを特別にすることにしている。
「あ……ん……」
 手付きはさほど厭らしいものではないが、丹念に教え込まれた胸は敏感に快感だけを拾っていく。しかし、絶頂には決して行かせない。そのせいか、二度寝をした日はいつもより大胆になったり積極的になったりする。
 人差し指で乳輪を触るだけで妻は体を震わせて息を乱すが、夫の表情は真顔のままである。ただ、妻が無意識に乱れる度に股間に膨らむものだけが男の感情を表していた。
「むねのりさん……」
 幸せそうに胸の頂を固くさせながら眠る妻は、夫の密かな煩悩を知らない。

10年後の柳ぐだ♀。甘やかしたい旦那さまと甘やかされるとか幸せになるとか、そんな幸せを得る資格なんてないと考えている奥さま。 ichinyo.site/media/wnmXHFBAFhG

やぎゅさんあともうちょっとで絆11になりそう…!

やぎゅさんの色気に真っ赤になるぐだちゃんとわざと着物の襟をはだけてみせてからかうやぎゅさん…

『……そうか。杞憂で良かったな』
「はい。エルメロイさんにはご迷惑をお掛けしました」
『嫌、丁度良かった。最近、何やら時計塔の連中が怪しい動きをしていてな』
「怪しい動きとは?」
『まぁ、聖杯戦争の前段階、遺物を巡る争いをし始めようとしているらしくてな。こっちも騒がしくなりそうだ』
「大変ですね……」
『何だか偉そうな口だが……まぁ良い。達者でな』
「はい。先生も健康と睡眠には気をつけて下さいね。では、失礼します」
 電話を切り、スマホを宗矩さんに渡す。スマホをベッドサイドに邑久のを見ながらベッドの上で正座をして、両手を付く。
「と、言うわけで、海外旅行に行って宗矩さんの受肉を解こうと考えていました!」
 嘘を付けない辛さに耐えきれず、夕飯の後のマッサージタイムの前にとうとう話してしまったけれども、宗矩さんの表情に変化はない。
「そうか」
「……怒らないんですか?」
「怒るも何も、私を考えてくれての事だろ。一言だけ言うならば、自分で考えて決める前に相談して欲しかったがな」
「……はい」
「良い返事だ」
 長くなった髪の毛を撫でると、宗矩さんは微笑んで髪の先を持って口づけを落とした。

リンボではなくてセイメイが出てくる???

 10年経っても、宗矩さんの心は私を見ていない。見てくれるのは、夜、私を抱く時ぐらいだろうか。それなのに、私は受肉させてまで宗矩さんと共に暮らしている。暮らさせるようにしている。10年前、一緒に暮らしたいと言った時、宗矩さんは2つ返事で受け入れてくれた。応えてくれた事への喜びで、子供は気づけやしなかった。死者であり、サーヴァントである宗矩さんを孤独にさせてしまうことに。だから、だからこそ。
『……良いのか』
 あっち側は昼であるはずなのに、気難しそうな声をしているのは、私の要求が難しいものであるからだろう。
「良いです。もう、十分幸せを感じられました」
『そうか。だが、彼を受肉から解放するという事は、彼を殺す事だ。その事は十分に分かっているだろうな』
「はい」
『そして、今日の内にMr.ヤギュウに旅行の本来の目的を話しておけ。本人が拒否したら来るな。良いな、今日中だぞ!』
「えっ、えっ」
 ガチャン、と切れたスマホを耳から離して、私はどうしたものかとため息をついた。
 きっと、宗矩さんは忠義で拒むだろう。拒まれたら、行けなくなってしまう。一体どうやって説明すれば良いものだろうか。

10年後の柳ぐだ♀。もう沢山の我が儘を聞いてもらったから、もう、私の事を忘れて下さい。 ichinyo.site/media/nZIJvT4dHX4

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ichinyo.site/但馬守に斬られたい人たち

「こっちに一如して」などと言っていたらドメインが取れることに気づいてしまったので作ったインスタンス