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定時退勤するはずがまだ会社の最寄駅にいる

十二国記、新作でないと思ってたからとても嬉しい点

やなぐだのことだけ考えてたいけど働かなくては…よぼよぼ

左肩の痛みと腹側の温さで目が覚めた。身体をずらすと赤い髪が見える。少し動いてもぴくりともしない。よく眠っている。役目は果たせたようだ。
そのまま布団を出ようとしたが、困ったことが二つ起きた。一つは、藤丸の手が俺の上衣を握りしめていて離す気配がないこと、もう一つは昨夜は気にならなかった女の甘い香りが立ち上ってきたことだった。背筋が痺れ、下腹に血が回る。もう少し口説いていたならばともかく、ようやくここまで懐かせたところで犯すのは悪手である。
「藤丸」
やむを得ない。細い肩を揺さぶって起こすと、眉間に皺を寄せながら薄く瞼が開いた。
「手を離せ」
言いながら、握りしめられた指を開かせるように手を添える。すぐに指が開きはしたが、
「おはようございます……」
今度は胸元に顔を擦り寄せてくる。昨夜思った通り、まるで大きい猫だった。しかし猫ではないから愛でるのは都合が悪い。
「藤丸」
「ふぁい」
呑気にあくび混じりの返事を返した彼女に、
「起きたいのだが」
要望を伝えると、んんん、とぐずるように呻いてから、ころんと離れた。眉間に皺を寄せたその顔はいかにも不服であることを伝えていて、少し笑ってしまった。

よしよしお泊まり編おしまい。つりーにしてなくてすまそ。

同じ布団に柳生警部が寝ている。言葉の綾でこんなことになってしまった。無欲そうに見えたけれど、このまま奪われてしまうのだろうか、といった心配は杞憂だった。人肌などなくても平気だ、という言には暗にお前でもあるまいしと言われているようで、居心地が悪かった。

そう。たしかにほっとした。生きている人の気配に、その熱量に。

素直に未熟であることを詫びると、すぐに警部は目を閉じた。そこそこ歳だし、私も手間をかけさせたし、疲れたのかもしれない。最後の任地だと言っていたけれど、いくつぐらいなんだろう。いつも現場に出ているからか、その寝顔はあんまり歳を感じさせなかった。
じっと観察していると、突然ぱちりと開いた目とまともに目が合ってしまったけれど、どうしていいかわからない。わからないまま、背中を抱き寄せられて肌が近くなる。気が変わったのかと、慌てて抵抗してみたものの、それきり何もしてこなかった。
様子を伺ううちに規則正しい寝息が聞こえてくる。目の前の胸元にそうっと耳を寄せると力強い鼓動の音がする。背中に添えられた腕は暖かく、またうとうととした眠気が私を襲う。
案外、寝心地のいい夜になりそうだった。

それを言うならどこで寝るんですかだろう、と思いはしたが、先程その問いを投げ捨てたのを思い出した。半分瞼を閉じながらもニヤリと笑う藤丸の顔は悪戯なもので、確信的にその言葉を選んだのだとわかる。
「--そうするか」
「え」
こたつで寝るつもりだったが、多少からかってやってもいいだろうし何よりこの寒さであればその暖かさは魅力的だった。一晩、大きな猫がいるようなものだと思えば何ということもない。
電気を消して、馴染んだ布団に潜り込む。藤丸が温めていたおかげで冷たさに震えることもない。誘った本人は、体を固くして息を殺しこちらを伺っている気配がした。
「この歳になって現場に堪えきれず人肌が欲しいなどと思わん」
安心させるために言ったつもりだったが、
「未熟者ですみません」
どうも喧嘩を売ったようにとられてしまったようで、むくれたような声が返ってきた。まあ機嫌を気にしたところで仕方がない、と目を閉じたところで、藤丸が否定しなかったことに気づいた。
目を開くと、一瞬合った目が逸らされる。それならそれで良い。再び目を閉じ、半ば強引に腕の中に身体を納める。すこし抵抗するそぶりはあったが、すぐにやんだ。

(今の所食べられない展開になる予定だったのですが食べられるのも美味しそうですね…♡)

でしたでした!酒呑ちゃんに食べさせる骨不足なので頑張って開けたいです💪

あれ、無制限じゃなかったっけ?

「それだけ口がきけるのならもう大丈夫そうだな」
柳生警部は薄く笑って、俺も風呂、とこたつから出ていった。
一人取り残された私は、あの人にも善人らしいところがあったのだ、ということに感動していた。それこそ、昼の惨状が記憶から一気に拭われるほどに。
裏で何かやっていそうな、仄暗さは確かにある人だ。打算である可能性も捨てきれない。けれど、それはそれでその程度には使えると見込まれたと思えた。さすが大ベテランなだけあって私では到底代わりになれない人であり、そんな人に目をかけられていたということは大きな自信になる。

「おい。寝るなら布団で寝ろ」
揺さぶられてうたた寝していたことに気づく。おふとん、と呟くと、
「シーツは変えた」
と言われたあたり、普段の警部の寝床なのだろう。
「警部はどこで」
我ながら眠そうな声で聞いてみたものの、いいから移動しろと急かされて導かれるまま布団に転がる。すこし冷たかったけれど、足元に仕込まれた湯たんぽが気持ちよかった。
「電気を消すぞ」
声をかけられて、
「警部」
「なんだ」
どこで寝るんですか、と聞いても答えなさそうだな、と思った。
「一緒に寝ないんですか」

多分イベント始まってからデータが溜まるんじゃないかな…ほら、上限がないボックスガチャだし、素材も落ちるから…。

なんだかんだと文句を言っていたのを無視して家に連れ帰った。顔色は悪く、舌鋒にもキレがない。おおよそ昼の現場を引きずっているのだと見当がついた。折角踏み込み過ぎず鈍過ぎない逸材だというのに、こんなところで折れられるのは困る。
これが男であれば女でも買ってこいの一言で済む。一夜の夢、人肌のぬくもりというものは馬鹿にならず、大抵の男はそれで立ち直る。
だが藤丸は女だった。男を買って買えないことはないだろうが、そういう文化はないように思えた。

食欲がないと言う口に粥を流し込み、風呂に入れと言うと目を白黒させた。
「参りきった顔をしているのに自分で気づいてないのか?今日は泊まっていけ」
言ってやると、悄然として風呂に向かう。そこで言い返さないあたり、堪えているという自覚はあるのだろう。貸したジャージを着て戻ってきた藤丸に温めた酒を飲ませてようやく、
「……随分と至れり尽くせりなんですね」
憎まれ口を叩くようになった。
「お前が男なら女でも買ってこいと言うところだがな」
考えていたことをそのまま言ってやると、
「わたしが女だから尽くしてくださったんですか?」
意外にも、藤丸は悪戯に笑ってみせた。

血と肉の焦げる匂いが離れない。こういう仕事に就いた以上、いつか目の当たりにするとは思っていたけれど、思っていた以上にきつかった。現場保全もあるので離れられないのが辛い。
「はじめてか」
いつもの無表情で柳生警部が聞いてきた。警部なのにこんな現場に出張るのは趣味か、あるいは実益か。聞いてもそれはそれで気分が悪くなりそうだったので、やめた。
「大丈夫です」
ちぐはぐな返事を返したからだろう、少しじっとこちらを見つめてから、そうか、とだけ返ってきた。

やっとパトカーの音がして、様々引き継ぎをして、署で所定の報告を上げたらもう深夜だった。忙しさが落ち着くと昼間の現場の陰惨さが脳裏に蘇る。食欲もないあたり、
「やられてるなぁ……」
溜息が出る。我ながら、結構太い方だと思っていたのだけれど。
「おい」
通用口を出たところで柳生警部の声がした。
「ちょっと付き合え」
「--わたし、」
気分が優れないので、という間も無く助手席に押し込まれる。
一体何なんだろう。この人は、わたしを一体なんだと思っているのだろう。
無性に腹立たしかった。けれど。煙草のにおいが、すこし、昼間の惨劇の香りを消した気がした。

明日のアプデ、結構細かい機能の拡充がすごいのでサーバー大丈夫かなーと心配している。

無造作にめくる手ー!!!(脱がせ方わからなかったんだろうなと思うと萌え度数倍増)

1枚目の4コマ目のリラックスしてるぐだちゃんがとても好きです

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ichinyo.site/但馬守に斬られたい人たち

「こっちに一如して」などと言っていたらドメインが取れることに気づいてしまったので作ったインスタンス